しばらく前に、
「本当はみんなが一日3時間くらいずつ働けば社会が成り立つくらいの文明力があるはずなんだよ」
という内容のツイートが流れていました。
もう流れて行ってしまって、正しい文面も、どなたが発信したものかもわからなくなってしまいましたが。
「そうよなぁ」、と。
コメント欄もざっと眺めてみたのですが、おもしろかったですね。
「政治家とか社会の中枢にいる人たちが『アミ小さな宇宙人』とか読んでくれたらなぁ」というような、「理想の社会を実現したい・するには」という人と、
いわゆる「冷笑系」のような、「そうは言っても財源が」とか「『みんなが』というのは高齢者や子供、障がい者や重病人のような、現在働いていない人も含めて平均をとると、今働いている人の労働時間と変わらないのでは」みたいな、「うん、元ツイートが言っているのはそういう話じゃないと思うよ」という気持ちになる人と。
まぁ、元ツイートの人が、『アミ』みたいなスピリチュアル系の言説を念頭に置いて書いたかどうかはわかりませんがね。
ただまぁ、一昔前というか、昭和の高度経済成長期といわれる時代、まだPCが普及していなかったような時代では、一般企業の経理処理なんか本当に人力でやっていました。
営業部とか生産部とか、一つの部署ごとに付属の経理部門があって、仕訳して伝票手書きして、中央の経理に上げて、みたいな、人海戦術。
商業高校で簿記を専門に学んだ人がそういう仕事についていました。
その時代の「ホワイトカラー」とか「サラリーマン」とかのかなりの比率が、そういう人海戦術の事務要員。
でも今、全部会計ソフトでできちゃう。
経費発生した本人が直接ソフトに入力して証憑書類を画像で添付、くらいじゃないですか。
売上とかも然り。
本部の経理でチェックできる人がいるくらいで、各部署ごとについていた付属の経理人員、まるっと不要になっている。
これ、「仕事を奪われた」じゃなくて、「機械ができる仕事は機械にやってもらえばいいじゃん、その分人間は楽しましょ」という話。
そういう方向に世の中進化しているんじゃないの?という話です。
洗濯だって昔は手で洗っていたけど、今は洗濯機が洗ってくれるよね、みたいな話です。
駅の改札だって自動改札でいいよ、みたいな話です。
「みんなが一日3時間くらいずつ働けば…」の元ツイートの人の言わんとしていることは、こういうことじゃないのかなと思います。
で、もう一つ。
こちらは エイ(@Zikatu1)さんの2022.10.2のツイート。
フィンランドの先生に「なぜフィンランドではみんなが4時で帰れるの?」と聞いたら、「仕事は就業時間内に終わらせて、それ以外の時間も大切にしたいと国民全員が考えてるからだよ」とすごくシンプルな答えが返ってきた。この考えに1億いいねを押したい。
本当に、こういうことなんじゃないかと思います。
「みんなが一日3時間くらいずつ働けば…」というツイートに、「そうできない理由」を一生懸命コメントしている人たちって、本当になんかバグっているよね。
「冷静に現実を見据えている俺かっこいい」みたいな。
あるいは「自分より下の存在がいてほしい、誰かを踏みつけていたい」みたいな。
いいんだよ、みんなで楽して幸せになればいいじゃん。
機械ができることは機械にやってもらって、人間は楽しい時間をすごそうよ。
というだけの話だと思うのだが。
日本、割とそういう意味ない無駄な仕事のメッカよね。
「判子は上司にお辞儀しているようにナナメに押す」とか、超いらねー。
定時にあがるの気まずいから、大半の人が帰るまでずるずる残業とか。
意味ないよね~。
でも、その中にいると「そういうもんだ」になっちゃうよね~。集団心理って怖いね~。
今の日本のダメダメさって、こういうののなれの果てって感じ。
前に、日本に住んでいたオーストラリア人の男性が、
「日本人はクレイジーだ」と言っていました。みんなが漫画やアニメやゲームに夢中になっていて、スマホばかり見ている、と。
それを聞いた日本人の私はどちらのこともわかりましたよ。
健全な精神を持ったオーストラリア人から見たら、アニメやゲームに没頭して現実と向き合わない日本人は病的だ、と感じるのは妥当だと思うし、
一方で、日本人がそういったものに没頭しているのは、それらがおもしろいからじゃなくて、搾取されて誰からも愛されていない自分を直視するのが辛すぎて、目をそらせるものを必要としているだけだ、ということも痛いほどわかります。
まぁ正直、「みんなが一日3時間くらいずつ働けば…」のツイートに、否定的なコメント入れている人たちって、
「搾取されて誰からも愛されていない自分を直視するのが辛すぎる人たち」なんだよなと思います。
いいじゃん、あなたは愛されていいし、搾取されずに豊かな生活をして、楽しく生きていいんだよ!
というメッセージが、実は何よりも怖い人って、いるんだよね。
人間のバグの中で、かなりやっかいなのが「幸せになるのが怖い」ってやつ。
「愛されるのが怖い」とか、「成功するのが怖い」とか。
いや、私もかつてそうだったんですけど(笑)。
今でも時々古い痛みが戻ってきてバグることあります。そういう時は無理に動かない。
私がブログ更新しない理由(笑)
自分と向き合うしかないんでね。
これちょっとめんどくさいんだけど、例えばやたらとキラキラな自分をSNSに上げるとか、ブランド物とか高価なもので身を固めるとかもそうなのね。
みじめな自分と向き合いたくないの。
みじめな自分と向き合いたくなくて、やる必要のないことやってるの。
こういうのって周りが説得しても変わんないし、本人が飽きるまでやるものらしいけど。
でも、「そういうのもう飽きたわ!」という人たちもたくさんいて、
そういう人たちが「一日3時間」とか「4時でみんなが帰れるフィンランド」みたいなことを言い出すわけ。
もういいじゃん、戦争のない世の中で。
平和に楽しく暮らせばいいじゃん、とか。
それで良くね?
と思うんですけど。
でも逆に、そう思っちゃう人が増えれば、「4時でみんなが帰れる日本」が実現するわけで。
いや、ほら、日本の夏暑いし、一日中同じ服着て事務所勤めとか、嫌じゃない?
ブラジルとか東南アジアとか、一日に何度もシャワー浴びるらしいよ。
だって汗かいたら気持ち悪いじゃん。
身体をさっぱり洗って、きれいな服に着替えたら気持ちいいに決まってるじゃん。
でもそうするには、「家に帰ってシャワーを浴びる」ことができる距離で仕事をするってことだよね。
だって職場に着替えだのタオルだのゴソゴソ持っていくの嫌じゃん。
え、そしたら住環境は?職場の形態は?ってなっていくじゃん。
東京の中心部に2時間(以上)かけて通勤して、朝6時半に家を出て帰ってくるの夜8時とか、ダメじゃん。
そういう感じ。
一個一個、そういう感じ。
一個一個、そういうことを、「なんか、やってることアホくさくね?」と、単純に思っていく感じ。
できるできないとか、世間体とか置いておいて、ぶっちゃけどうよ、な感じ。
ほら、思い描くのは自由だから(笑)