私の実家は、比較的緑が残っている地域です。
学生の時や社会人になりたての頃は
東京が遠くて嫌でした。
ドロップアウトしてから気づいたのですが、
そういう東京のはずれの住宅街の中に、
たくさんの恵みがありました。
例えばヨモギ。
河原とか、山の近くとか、公園の周りに
にょきにょき生えています。
私は中野区の下町で一人暮らしをしていた時、
お風呂用のヨモギをネットで買っていました。
ヨモギは、昔から身近な薬草として
重用されてきました。
韓国のヨモギ蒸しとか若い女性にも人気です。
私は自分でお灸をするのですが、
お灸の原料でもあります。
それが今では、年に数回業者さんに
除草されてゴミとして処分されています。
晴れが続く時期に、ヨモギを切ってきて、
洗って陰干しにすると、
お風呂用ぐらいなら十分使えます。
それから、実がなっている街路樹にも
気が付きました。
実がたくさん落ちて腐るに任せています。
父に聞いたら、ヤマモモとのことでした。
ネットでヤマモモの食べ方を調べたところ、
ジャムとかヤマモモ酒とかいろいろ
出てきました。
試しに採ってきて作ってみるか、と思ったら
豪雨が続いて、今年は採ることが
できませんでした。
似たような感じで銀杏も長年気になっています。
銀杏並木は素晴らしく美しいのですが、
銀杏が落ちるとどうにも臭いですよね(笑)
でも、銀杏をスーパーで買うと結構お高い。
料理学校の先生が仰っていたのですが、
上野公園でホームレスの方が
公園内の銀杏を拾って売っているのだとか。
それってめっちゃ良くないですか!!
銀杏って栄養価の高い貴重な食品なのに、
道や公園では誰にも活用されずに、
ただ臭くて汚いものとして
清掃業者さんに処分されるだけ。
本当にもったいないし、間違っている。
山の近くの道路を歩いていると、
山に自生している栗の実がゴロゴロ落ちている
ことがあります。
試しに拾ってネットでゆで方を調べて
食べてみましたが、美味しかったです。
栗くらいメジャーな山の恵みは、
拾っていく人も多いようです。
あと微妙にモヤモヤするのが、どんぐり。
公園の中とか、古くからある地域には
どんぐりのなる立派な木があって、
すごい量のどんぐりが落ちています。
公園や公道に落ちたものは、
結局は業者さんが処分してゴミになってしまうと
思うのですが、あれ何とかなりませんかね。
無性にもったいない。
多分すごい栄養価があると思う。
ネットで見たら生で食べられるものもある
ようですが、どんぐり料理ってあるんだろうか。
いや、人間が無理して食べなくても、
例えば動物園とかのリスのエサにしたりとか、
イベリコ豚よろしく
養豚場で食べてもらったりとか
資源として役に立つものだと思う。
誰が集めるんだ、費用は、収益は、
という世の中だから、ゴミとして
処分しているとは思うのです。
でも、なんかそれで今の世の中
うまく回っているとは思えないのです。
実家のある住宅街やその周辺も、世代交代で
新しいご家族がたくさん入っていますが、
新しい家は、庭を造らないところ多いです。
私も懸命に仕事して
何度かドロップアウトしたので、
家を買えるほど仕事頑張り子育てもしたら、
庭いじり無理なの本当によくわかります。
だからその家族一つ一つがどうとかじゃなく、
社会全体の問題です。
長距離通勤して、長時間勤務しないと
生きていけない世の中。
なんかスピリチュアル的なことじゃなくて、
私が政治を動かさなきゃどうにもならんわ、
と思うのは、こういうことです。
ただ、そういう方向に政治を動かす動機は、
人間らしい生活とか、
自然と調和した生き方が必要だと
気が付くことだと思います。
多分古くからいらっしゃるんだなぁと思う
お家では、建物は新しくても、
干し柿を干していらっしゃったりします。
おばあ様がいらっしゃって、
庭の柿の実を干していらっしゃるのかな、
と思って眺めています。
柿の木があっても、鳥に食べさせて終わり、
のお家も多いです。
実家には柚子の木があって、小さな木なのに
たくさん実をつけます。
ネットで柚子茶の作り方を調べて作りましたが、
ずいぶん重宝しました。
肥料をやるわけでもないのに、
毎年実をつけてくれます。
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海外の情報を見ていると、庭でとれたものを
シェアする地域があるようです。
ビッグイシューの記事でも、
料理を多めに作った人が必要な人にシェアする
仕組みが生まれたという記事を読みました
(スマホのアプリを使っているみたいです)。
そういうのを見ると、食べ物を食べ物として
活かすことを真剣に考えていて、
いいなぁと思います。
日本でそういう活動をするときの壁になるのが、
愉快犯的な悪意の存在だなぁといつも思います。
一時日本でも、レストランでの食べ残しの
持ち帰りができるようになりましたが、
最近はもうお店が持ち帰らせてくれません。
何かあった時に店がつぶれるからでしょう。
食べ物や生き物の命が何よりも重要である
という共通認識と、信頼関係を作ることが
最重要だなぁと思います。
生命を尊重し、信頼し合っている社会で、
庭にも街路樹にも実のなる木がたくさん
植えられていて、その実が社会の中で
循環している……
公園や道端のどんぐりを集めて、
養豚場や動物園に届けて、
季節の果物をジャムにして保存して、
お互いの採れたものをシェアして……
そういうことをよく夢想します。
そういう循環があれば、海外に食料を
依存する率も、かなり減ると思うのです。
小さな信頼関係のできているところから、
始めるといいのかもしれません。